寒風麻生林道


〜地味ではあるが川あり、廃村あり、落石ありの林道〜


寒風麻生林道(滋賀県高島郡今津町)
撮影日:2001年8月

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この林道は琵琶湖の西部にある今津町の、ほとんど福井県との県境近くをR367(鯖街道)と並行した形で走る林道である。この撮影当時は、麻生(朽木村)まではまだ通じていなかったが、その後に訪れた時は工事も終わって全線走ることができた。ただし未舗装路はR303(若狭街道)に出るまでのわずかな区間だけである。


2001年8月撮影
路面はフラットで走りやすい。R303までほぼこの状態が続く。


鯖街道という名称は、地元のものは聞きなれている言葉であるが、初めての方は「妙な名前だな」と思われることだろう。その昔、若狭湾でとれた鯖を京都まで運ぶのに使われたからだという。非常にいたみやすく、鮮度の保ちにくい魚である鯖を運ぶ最短ルートとして大いに利用されていたのだろう。もちろん鯖だけではなく、大陸〜日本海〜若狭〜京都をむすぶ重要なルートとして栄えていたようで、長年にわたって多くの人や荷物などが行き来したと思われる。その名残として宿場風景も残されていたりしている。琵琶湖岸のドライブもいいものであるが、こういったところをゆっくりと歴史を味わいながらドライブするのもなかなかのものである。デートなどにいかがだろうか、と思ったりもするが余計なお世話なのでやめておく。


2001年8月撮影
『小原谷』への支線の出合いより北側は、寒風川が常に横に流れている。


さてこの『寒風麻生林道』であるが、朽木村の麻生から今津町の椋川、笹ヶ谷をへて寒風川に沿ってR303に抜けていく。笹ヶ谷以北は谷を行く形となるのでアップダウンはなく、未舗装区も道幅十分で走りやすい。途中支線をいくと廃村『小原谷』に行くことができるが、この道はほとんど利用されていないようで、非常に道幅が狭く、その上草木が覆いかぶさってかなり荒れている。この廃村『小原谷』については本ホームページの『廃村』の欄にあるので見ていただきたい。R303出口に近づくと川向こうの左手に、大きく削られた山肌が見えてくる。大きな採石場のようで、この日も大きなダンプが豪快に走っていくのが見えた。


2001年8月撮影
まっすぐの道が林道本線。右の支線は廃村『小原谷』に至る。橋の名前もそのものズバリ「であいこ橋」。


2001年8月撮影
この小原谷に向かう支線は道幅も狭く、草は伸び放題。かなり荒れている。


2001年8月撮影
採石場には大型ダンプが何台も走っていた。玩具によくあるオフロードダンプではないが、一度こういうところで大型ダンプを豪快に運転してみたいものだ。


このあたりだけではなく滋賀県の山間部の集落は年々過疎化が進んでいるようである。それに追い討ちをかけるかのように小中学校の分校が次々と姿を消し、違う施設として利用されたり、利用価値もないのか廃墟となったりしている。かつては子供たちの元気な声でにぎわっていたであろうこれら分校が、荒れ果てた廃墟に変わってしまっている姿をみるのはしのびない。幸いここの椋川分校は今では『山の子学園』として生まれ変わり、第二の人生?を歩むことができている。過疎化が進んで生徒数が激減して廃校となるのはやむをえないのだろうが、行政上の問題で、本校と統合されて分校がなくなってしまったために過疎化が進んでしまっているとしたら、それは過疎化の促進である。過疎化を促進することにどういう意味があるのだろうか、などと考えてしまう今日この頃である。


2004年6月撮影
生まれ変わった椋川分校。学校としての役目は終わってしまったが、ここでもまた多くの子供たちが自然を相手に様々な思い出作りをするのだろう。


2004年6月撮影
天文台〜。田舎の空には星がいっぱい〜


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