水木谷林道


〜綿向山にむかってのびるショート林道〜


水木林道(滋賀県蒲生郡日野町)
訪問日:1992年5月、1993年1月

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この林道を訪れたのは、もうずいぶん前のことである。林道に興味を持ち始めて間もない頃で、そのために車も買い替えたのだった。もちろんローンである。今思えば、何ともパワーのない車であったが、そんなこと関係なく4WDの楽しさを教えてくれた車であった。もちろん本格的なクロスカントリーなど興味もないし腕もない。ただ林道を楽しく走るためのものだ。地元の人や一般の車、登山者、ハイカーなどが訪れる所であろうとなかろうと、ダートということでラリーのように走る体育会系の林道好きとは根本的に違っている。もちろん体育会系の林道好きの人たち皆さんがそういう走りをするわけではないのだが・・・。実際にこういう車に林道で出会って、ヒヤヒヤしたことも何度かあった。私は文科系の林道好きである。だからこの車で十分なのだ。とろとろ走って目的地に到着すると、下開きのリアゲートを倒し、そこに座るなり寝転ぶなりして、ゆっくりと紅茶でも飲みながら景色を味わう。これが最高であった。おじんくさいなど言っているのはだれですか?まあ、その通りなのだが・・・。まあ、4WDはナローボディのシンプルな車。これが最高である。


1992年5月か、1993年1月撮影
非常に短い林道である。林道の醍醐味というのは味わえないがのんびり走るのには良いかも・・。この車、パワーは無かったが、林道好きになるきっかけを与えてくれた非常に思い出深い車だ。


この、水木林道は日野町と永源寺町の境にそびえる(そうたいそうではないが)竜王山を周りこむように上り、綿向山に向かって走る短い林道である。起点は西明寺(湖東三山の西明寺ではない)あたりからで、この当時は綿向山を望む写真撮影をした地点あたりまでしか行くことができなかった。今どうなっているのかわからないが、すでに10年以上経っていることを考えると、その様子は大きく変わっていることだろう。当時は全て未舗装であったが、今はどうなのだろうか。


1992年5月か、1993年1月撮影
山に向かって延びる林道。林道というより「山道」「登山道」という感じだ p>


この林道で印象に残っているのは、新緑のなんとも色合いの美しい雑木林と、眼下に見下ろす夕日の美しさである。眼下の景色の中に高圧線の鉄塔が見える。普通自然の風景の中では、高圧線の鉄塔は邪魔者として扱われることが多い。しかしなぜか、ここから見える夕日の中の鉄塔は、決して邪魔な存在のような感じがしない。まるで山を守る巨大で純朴な生き物のようなのである。大きな体、気はやさしいが力持ち、お人よしで騙されやすい、そんなキャラクターをイメージさせる。日本昔話などによく出てくるそれである。TOPの写真、そういう風に見えませんか?え?見えない・・。そうですか・・・。まあ、私にはそう見えてしまうのである。この風景を見たくてその後も何度か訪れたのであるが、残念ながら都合よく夕焼けになってくれず残念な思いをしたものだ。


1992年5月か、1993年1月撮影
いろいろな季節に訪れたが、やはり夕日の美しい季節、これが最高だ。


林道の醍醐味とかとは程遠いが、もう一度あの夕日を見てみたい。私の中では久しぶりに行ってみたくなる、そういう林道である。


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