三ツ谷林道(滋賀県愛知郡湖東町〜愛東町〜秦荘町) |
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滋賀県で有名なものはいくつかあるけれど、多賀大社もそのうちの一つだろう。お正月の初詣には毎年多くの参拝客が訪れ、付近は大混雑する。おさい銭はいったいいくらになるんだろう、などど庶民的なことを考えるのもこの時期だ。え?ご存じない?まだまだ全国区ではないんだなぁ、なんてことはどうでもいいのだが、この『三ツ谷林道』は、この多賀大社の南にある宇曽川ダムの上流を起点としている。この宇曽川上流には某名水(正式名は忘れた)が湧き出ており、けっこう多くの人が18リットルタンクを車に満載してやってくる。夏など飲むと、冷たくてとても美味しい。これでカップラーメンや水割りを作るとうまいんだろうなぁ、と思いながら、まだ一度もしたことない。その道をさらに奥に登っていくと、この林道の起点がある。この林道は滋賀県のマニアでも知っている人は少ないのではないだろうか。規模も小さく(3Km程)でわざわざ来るようなものでないし、その手の雑誌に紹介されることもほとんどない。それではなぜここで紹介したかといえば、私がこの林道でえらいめ(標準語:大変なめ)にあったからである。 |
2000年7月撮影 |
私はこの林道に1993年6月に一度訪れている。距離は短いが非常に林道らしい適度に荒れたダートの路面。山を入っていくと空はいつでも見えているが、山深い雰囲気もそこそこ味わえる。青空と木々の緑、そしてダートの明るい土色、などがマッチしてビジュアル的にも心地よい。そして行き止まりではなく幹線道路に抜けることもできる。などなどの点で、小規模ながら評価は高かったのである。その後訪れることがなく、久々に訪れてみたのがこの時、車を買い替えてまだ間もない時期。新車の匂いもプンプンと・・・。ちょっと行ってみようか、という気持ちで訪れたのである。 考えてみれば一般道と違い交通量などないに等しい林道が7年も同じ状態を保つはずがないのである。 |
2000年7月撮影 |
この日は、まず林道に行く前に名水で口を潤そうと思って立ち寄った。しかし3つほどある名水の流れ口を一人のおっさんが全部占領して、なおかつ空の18リットルタンクを軽トラに山積みしている。それを待つほど気長で暇人ではないので名水はあきらめて林道に向かうことにした。すると支線がある。「そういえば、あったなぁ・・。どれだったかなぁ。」と考えつつ、うろ覚えではあったが、いくつかの支線から三つ谷林道を無事見つけ出し奥へと向かっていった。しばらく行くと道の草が目につくようになって来た。「前回来た時より草が多いなぁ」「道端の木も大きくなったなぁ」などと思いながらも進んでいく。すると道路の草は段々と轍も覆うようになり、丈も高くなる。「あまり車は通ってないみたいだなぁ」でも林道ではこういうこともよくあるものだ。そのまま機嫌良く進んでいく。道端の木はさらに高くなり、道に覆いかぶさるようになってきた。段々道幅も狭められ、道端の木々がボディをこする。キゥィ〜〜、グゥィ〜〜・・・嫌な音である。道の両側の草木が車の高さを遥かに超え、しかもアーチのように道中央に向かって垂れ下がり、草木のない空間はもう車幅以下になってしまっている。おまけに下り坂・・・。しかしこの道をバックで戻るのはもっと大変だ。あと少しで出口に着くはず。車の屋根を木々がこする、はね返って叩く・・・。もう少しがんばれ、と自分を励ましながら進んでいく。もうこの頃にはボディをこする音が常に聴こえてる状態であった。もう写真を撮ったりする余裕もない。いったいボディはどうなってるのだろう、と思いつつも、見る気もしない。進むしかない・・・。ナビを見ると出口まであと数百メートル。見えた!出口らしい空間が見えた!やったぁー・・・! |
しかしそこは無残にも、そのアームを「く」の字に折り曲げたユンボウが道をふさいでいた。運転手はいるはずもない。ただ道をふさぐ「モノ」として置かれているだけなのだ。行き止まりだった。もちろんUターンなどする場所などどこにもない。いったい何百メートルバックしなければいけないのか・・・。しかも普通の道ではない。バックは嫌いではないが(変なこと想像しないでね)、こんな条件の悪い道をひたすらバックするのは初めてである。でも仕方ない・・・。バックした・・・。 |
2000年7月撮影 |
その後はもう思い出したくもない。なんとかUターンできるところに来た時は、ボディの傷はもちろんのことナビの車外アンテナは根元から取れてブラブラ。ふり向きっぱなしで首には痛み。そしてそういう私を癒してくれたのは、あの某名水だけであった。おいしかったなぁ・・・。 |
2000年7月撮影 |
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■e−konの道をゆく■ |