■月とキャベツ<2008.8.31>NEW!
篠原哲雄監督による作品で、1996年に制作されています。ミュージシャンの山崎まさよしさんがミュージシャン役で主演されています。相手役は真田麻垂美さんという方です。テーマ曲である「One more time, One more chance」を先に知ってしまっていた為か、今ひとつ曲と映画がしっくり来なかったのですが、こういう雰囲気は嫌いではありません。
ここにも大変美しい木造校舎が出てきます。群馬県の、今は吾妻郡中之条町立名久田小学校という学校のかつての分校、栃窪分校(昭和50年廃校)です。この学校は他にも「春駒のうた(1986年:神山征二郎監督)」「独立少年合唱団(2000年:緒方明監督)」など、いろいろな映画などでロケに使われているようです。
■村の写真集<2007.8.15>
三原光尋監督による2004年度作品です。藤竜也さん、海東健さん、宮地真緒さん、甲本雅裕さんなどの出演で、四国の徳島県の山奥のダムに沈む村を舞台に話は展開してゆきます。写真館を営む頑固な父と、村の写真集作りのために東京から故郷に呼び戻された息子との親子関係、人と人との関わり、それに美しい山里の風景‥などなど大いに感動してしまいました。
なお少しですが木造校舎も出てきます。そのロケの行なわれた下野呂内小学校ですが、現在は公民館として使用されているようです。この舞台となった地域をぜひとも訪れてみたいものです。
■八月の狂詩曲
巨匠、黒澤明監督の1991年度作品で、長崎県の山村を舞台に、原爆、反戦をテーマにした作品です。押しつげがましく訴えるのではなく、村瀬幸子さん演じるおばあちゃんと孫たち、そしてリチャード・ギア扮する甥との様々な関係の中で訴えています。透明感ある山村風景の絵は美しく、舞台となっているおばあちゃんの家屋も見事です。
何よりあのラストシーンには仰天でした。ああいうラストシーンをもってくる、ということ自体もう言葉が出ません。巨匠だなぁ〜というより、めちゃくちゃ新鮮っていう感じでした。
■少年時代
井上陽水さんの主題歌でおなじみの映画です。故・柏原兵三氏の小説『長い道』にアレンジを加えて藤子不二雄A氏が漫画化し、それが篠田正浩監督によって1990年に映画化されました。戦時中に富山県に疎開した東京の少年と地元の少年たちとのドラマです。ここでも美しい木造校舎が登場します。
主題歌が流れるラストシーンは古典的な別れのシーンなのですが、こういう映画だからこそあえてそのようにされたのでしょう、やはり印象に残ります。
■萌の朱雀
河瀬直美さんという若い女性が監督した作品です。1997年度のカンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞した作品ですが、国内では評価に賛否両論あるようです。奈良県の西吉野村の過疎の村を舞台にしたこの作品、映画の難しいことはわかりませんが、この雰囲気や絵づくり、ストーリー・・・など、私はとても好きです。過疎の村の寂しさややるせなさ、都会には無いみずみずしさが、よく出ていると思います。この映画も年に何度か見るようになっています。
■八つ墓村
二本の懐中電灯を見ると知らず知らずのうちに頭に縛りつけ、「たたりじゃ〜」と叫びながら走ってしまうあなた、もう立派な多治見家の一員です。
実はこの映画の要蔵32人殺しのシーン、滋賀県余呉町の今は無き「廃村:鷲見」で撮影されています。ちょうど映画開始から1時間が過ぎたあたりです。川に沿って美しく並ぶ茅葺の民家、そこを要蔵が走り抜けて行きます。一度スロー再生でじっくりとご覧ください。
ちなみに鷲見の集落が見られるのは1977年の野村芳太郎監督の作品で、渥美清さん 、萩原健一さん 、小川真由美さん 、山崎努さんなどが出演されてます。豊悦の八つ墓村じゃないですからご注意を。
■学校の怪談4
人気ホラーシリーズの第4作目。1999年度、平山秀幸監督作品です。ここでは廃校かどうかはわかりませんが、古い木造の学校が出てきます。明石家さんまさんの師匠である笑福亭松之助さんの演技が妙に印象に残っています。
ちなみに『学校の怪談 DVD−BOX <初回限定生産> 18,900円(税込価格)』が東宝より発売されています。 買おうかなぁ・・・。
■ふるさと
徳山村に関心をお持ちの方であれば必ずご覧になっていることでしょう。廃村間近の徳山村を舞台とした映画で、1983年度作品です。神山征二郎監督で故・加藤嘉さん、長門裕之さん、樫山文枝さんなどの役者の熱演に心打たれます。DVDにならないかなぁ・・、といつも思っていますが、ならないだろうなぁ・・。徳山村にはこの映画の記念碑が建っています。毎年夏になると、この映画を見てしまいます。今ではこのテーマ曲を日常に口ずさむようになってしまいました。サウンドトラックCD出ないかなぁ・・。絶対出ないですよね・・。
■カノン
手塚治虫原作の短編漫画のドラマ化です。『手塚治虫劇場』という特番で、3本の短編で構成され、放映されていました。廃校が非常に効果的に使われています。どこの廃校なのでしょうか・・。中味については口で説明するとちゃっちくなるので、とにかくご覧いただきたいと思います。といっても見る術があまりないのですが・・。ビデオは一応販売されています。だからレンタル店にも置いてあるところがあると思います。私はこれを見るたびに必死で涙をこらえております。緒方拳さん、谷啓さん、富田靖子さん・・どなたも素晴らしいデス。
ちなみにビデオの発売は「バンダイビジュアル株式会社」となっています。定価は税抜き価格9,800円です。
■地図から消えた村
これは私のバイブルです。映画やドラマではなく、ニュースの1コーナーです。今から10年以上も前、滋賀県のローカルTV局『びわこ放送(通称:BBC)』の、夜の10時のニュースの時間の特集コーナーで放送されていたのが、この「地図から消えた村」でした。県内の様々な廃村が何回かに分けて紹介されていました。当時、廃村に興味を持ち始めていた私が飛びついたのは言うまでもありません。不定期の放送でしたが、毎日、新聞の番組表を見て、これがある日は朝から心待ちにしたものです。しかし、それでも見逃してしまうことがあり、悔やみに悔やみきれず遂には『BBC(びわこ放送ですぞ)』に電話して、担当の方に無理を言って全ての放送のビデオをダビングして譲っていただきました。担当のディレクターの方は嫌な顔一つせず(電話なので顔は見えませんでしたが)、こちらのわがままな願いを受け入れてくださり、ただただ感謝!でした。現在このビデオは、テープからDVDへと姿を変え、磨り減ることを気にすること無く、今なお見続けられています。
またこの「地図から消えた村」は『(財)滋賀県文化体育振興事業団季刊誌「湖国と文化1991年発行 春号・夏号 」』と連動されており、誌面でも紹介されていました。
この『びわこ放送』と『湖国と文化』の、二つの「地図から消えた村」は、その後の私のバイブルとなっています。
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